フランスのバターに関して、発音や表記、関連語、成分や種類を説明します。フランスのバターは殺菌方法、脂肪量、塩分量、脂肪酸の量によってさまざまな種類があり、季節による風味の違いもあります。
発音と表記
フランス語名 | beurre |
日本語名 | バター |
発音 | ブール[bœʀ] |
名詞の性 | 男性名詞 |
単数形表記 | le beurre / du beurre |
バターの成分
バターは牛の乳から絞った牛乳から作られ、一般的には乳脂肪分が82%以上含んでいるものをいいます。
- 脂質:乳脂肪分が最低でも82%含まれる
- 水分:最大16%
- ラクトース・カゼイン:最大2%
- ビタミン:A, B, D
バターは1kg作るのには22リットルの牛乳が必要です。1kgのクリームは10リットルの牛乳で作れますので、バターを作るのにたくさんの牛乳が必要なことが分かります。
バターの2つの季節
バターには、夏のバター(Beurre d’été)と冬のバター(Beurre d’hiver)と2つの季節があります。
バターは牛の乳からつくられているため、乳脂肪と溶解性のビタミンなどが含まれています。
夏の間、乳牛は黄色やオレンジ、赤色の天然色素であるカロテノイドを含む新鮮な草を食べます。冬には新鮮な草は生えていないため、乾燥した家畜用の飼料や干し草を食料とします。家畜用の飼料や干し草にはカロテノイドが多く含まれていません。
よって、夏にしぼった牛乳からつくられたバターは、冬のものと比べると風味がよくなります。また、冬のバターは脂肪酸の組織の違いにより、夏のものよりも固くなります。
夏のバターは温度にとても影響されやすく、28℃〜32℃で溶けてしまいます。一方、冬のバターは水分が少なめで、溶ける温度は夏のものよりも上がって32℃〜35℃の間です。
バターの種類
一般的に手に入れることができるバターの種類を解説します。殺菌方法、脂肪量、塩分量、脂肪酸の量によってさまざまな種類があります。これらはバターの紙袋に表記してあり、いくつかの種類を組合せて表記してあります。
Beurre cru
cru とは「生の」という意味です。殺菌していない生乳や生のクリームから作られたバターのこと。2~4℃で6~8週間保存できます。
Beurre fin
fin とは「上質な、純粋な」という意味です。殺菌したクリームから作られたバターのこと。クリームは最大30%は冷凍したものが含まれます。2℃〜4℃で60日間保存できます。
Beurre extra-fin
extra とは「特別なこと」を意味します。上記の Beurre fin よりも質の良いバターということです。
こちらは冷凍していない殺菌したクリームから作られたバターのこと。牛乳かクリームを収集してから72時間以内、クリームを分離してから48時間で作ります。2~4℃で60日間保存可能です。
お菓子を作るのに適しているバターです。
Beurre allégé
allégéとは「低脂肪の」という意味で、41~65%の脂肪分しか含まれていません。
Demi-beurre
demiとは「半分の」という意味で、一般的なバターの半分の41%しか脂肪分が含まれていません。
Beurre doux
塩分の入っていないバターのことです。お菓子作りに用いる場合はDouxと表記しているバターを選びましょう。
Beurre salé
saléとは「塩分を含んだ」といういみで、3%以上の塩分を含んだバターです。日本の加塩バターは1.5~2%の塩分量ですので、塩味の強いバターです。
Beurre demi-sel
selとは「塩」、demiとは「半分」のことで、0,5~3%の塩分が含んでいる塩気のあるバターです。Beurre saléよりも塩分がおさえられています。
Beurre sec
secとは「乾いた」という意味で、飽和脂肪酸が多く含んでいるバターで、溶ける温度が32℃以上になります。「冬のバター」やシャラント地方やエシレのバターがこれに当たります。フォユテ生地やブリオッシュに使用するのに適しています。
Beurre gras
grasは「脂の」という意味で、不飽和脂肪酸を多く含んでいるバターで、溶ける温度が32℃以下になります。「夏のバター」やブルトンやノルマン地方のバターがこれに当たります。クリームやビスキュイ生地に使用するのに適しています。
関連語
- beurre clarifié 澄ましバター
- beurre fondu 溶かしバター
- beurre noisette 焦がしバター
- beurre pommade ポマード状のバター
以上、フランスで使われるバターの種類を紹介しました。
おいしい知識を手に入れよう!お菓子のレシピから学ぶフランス語講座
フランスのお菓子は世界的に有名ですが、なぜそのおいしさに魅了されるのでしょうか?
「お菓子のレシピから学ぶフランス語講座」では、フランスのお菓子作りの秘訣を探りながら、同時にフランス語を学ぶ貴重な機会を提供しています。
この講座では、本場フランスのお菓子のレシピをフランス語で読み解きながら、フランス語を習得します。マドレーヌ、タルト、シュークリームなど、フランスでも定番のお菓子のレシピを通じて、フランス語の基礎から応用まで幅広く学ぶことができます。
フランス語の勉強が初めてでも大丈夫!当講座では基本的なフランス語表現から、食材や道具の名前、作り方までを丁寧に解説しています。おいしいお菓子のレシピを作りながら、楽しくフランス語を学ぶことができるでしょう。
フランス語を学ぶだけでなく、お菓子作りの知識も身につけることができるこの講座は、フランス語学習者とスイーツの愛好者にとって理想的な組み合わせです。ご自宅で学べるダウンロード形式なので、時間や場所に制約されずに学ぶことができます。
「お菓子のレシピから学ぶフランス語講座」に参加して、おいしい知識を手に入れましょう!フランス語の魅力とフランスのお菓子作りの楽しさを同時に体験し、自分自身を豊かにしませんか?ご参加をお待ちしています!
関連記事