チョコレートはカカオ生地(カカオマス)と砂糖、カカオバターを混ぜたもののことを指します。フランス語ではショコラ(Chocolat)といいます。 フランスでのチョコレートの種類と製品、パティスリーでつかうチョコレートの種類、テンパリングの温度、保存方法を紹介します。
フランスでのショコラの種類
フランスのショコラは「ノワール」「レ」「ブラン」の3種類にわけれます。
ショコラ Chocolat
フランスでいうショコラ(チョコレート)とは、35%のカカオが含まれているものをいいます。チョコレート商品のパッケージにカカオの割合が表示されてあります。
ショコラ・ノワール Chocolat noir
少なくとも43%のカカオと砂糖が入っているチョコレートのこと。ブラックチョコレートのことで、ミルク成分は入っていません。さらにショコラ・ノワールにはカカオの配合率によって異なる製品があります。
Mi-amer ミ・アメール
やや苦さのチョコレートのことで、58%のカカオが含まれています。
Amer アメール
苦みのあるチョコレートで64%のカカオが含まれています。
Etra-Amer エクストラ・アメール
強い苦みのあるチョコレートで少なくとも70%のカカオが含まれています。
ショコラ・オ・レ Chocolat au lait
少なくとも25%のカカオが含まれていて、砂糖と牛乳からできた粉乳を混ぜています。キャラメルやドライフルーツを加えたものもあります。
ショコラ・ブラン Chocolat blanc
カカオバターが少なくとも20%入っていて、砂糖と牛乳からできた粉乳を加えています。カカオは含まれていません。
フランスのショコラ製品
フランスのパティスリーでは、一般的に以下の2つのチョコレート製品を用いています。
Chocolat de laboratoire ショコラ・ド・ラボラトワール
「菓子製造所でのショコラ」という意味で、カカオバターの成分がとても少ない製品のことです。クーベルチュールショコレートよりも砂糖の含が多く含まれています。なお、このチョコレートにはショコラ・ノワールしかありません。クリームやムース、ガナッシュなどに主に用いられます。
Chocolat de couverture ショコラ・ド・クーベルチュール
カカオバターを多く含んでいるチョコレートのこと。少なくとも31%のカカオバターが含まれており、他のチョコレートよりも高価です。食感と味はカカオと砂糖のバランスに応じて変化します。すべてのチョコレート菓子に適しています。チョコレートを溶かして型に流したり、デコレーションに用いたり、クリームやムースに加えたり、ガナッシュやグラサージュにもつかいます。クーベルチュールチョコレートには以下の3種類があります。
Couverture foncée クーベルチュール・フォンセ
カカオバターが35−40%と多く含まれており、砂糖はかなり少なめです。ミルク成分は含まれていません。
Couverture au lait クーベルチュール・オ・レ
カカオやカカオバターは少なく、砂糖が多めに含まれています。ミルク成分の粉乳を加えています。
Couverture ivoire クーベルチュール・イヴォワール
いわゆるホワイトチョコレートのことで、カカオバターと砂糖、粉乳しか含まれていません。
ショコラの温度調整 Tempérage
クーベルチュールチョコレートとデコレーションやグラサージュ、または型に流し入れるのに用いる際には、テンパリングをしなければいけません。テンパリングはフランス語ではTemtérage テンパラージェといいます。カカオバターの含有量に応じて、チョコレートは溶ける温度が異なります。チョコレートを溶かして、冷まして、もう一度温度を上げることで、つやが出てなめらかで安定したチョコレートになります。
ショコラの種類は上記のクーベルチュールチョコレートの種類に応じます。
ショコラの種類 | 溶解温度 | 結晶化温度 | 使用温度 |
Foncée | 45~55℃ | 26~27℃ | 31~33℃ |
Lactée | 40~45℃ | 24~25℃ | 29~30℃ |
Ivoire | 36~38℃ | 23~25℃ | 27~29℃ |
例えば、Foncéeのクーベルチュールチョコレートは45℃まで温度を上げて溶かしたら、26℃まで温度を下げて冷まします。その後、31℃まで温度を上げるとチョコレートが安定したものになります。
ショコラの保存方法
風通しのよく、直射日光を避け、湿度は70%以下の場所に保存しましょう。
湿度70%以上だと砂糖が白く固まったものがチョコレートの表面に浮かんできます。室温は12~18℃の場所が最適です。その温度を超えてしまうと、カカオバターが溶けて白っぽくなってしまいます。密封した箱や袋に入れて、ほかの匂いがうつらないようにします。
チョコレートの原料であるカカオの品種、チョコレートになるまでの製造行程、カカオからできる製品とその使い方を紹介しています。
以上、ショコラの種類と製品を紹介しました。
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