生酵母・乾燥酵母の使い方

フランスでは気候により生酵母の使用が一般的

生酵母とは生きている多数の微小菌を含んだ酵母のことで、パンを膨らますのに使用します。1gの酵母の中に90億〜120億個の生きた菌が含まれています。

フランスでは生の酵母を使うことも多くあり、スーパーの冷蔵コーナーやパン屋さんで販売しています。

主に、クロワッサンやブリオッシュなどのヴィノワズリーを作るのに酵母を用います。砂糖を加える生地の場合、生酵母を使うと発酵が早くなります。

生酵母の役割、使い方、性質、保存のしかたや製造の過程について説明します。また、乾燥酵母についても紹介しています。

[フランス語]
生酵母: Levure biologique fraîche
乾燥酵母: Levure biologique déshydratée

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生酵母の役割

生酵母は生地を発酵させる役割があります。

材料と酵母をを混ぜると酵母が空気や水、砂糖や小麦粉に触れます。すると、酵母はこれらの材料を食べ、体内に取り込みます。酵母に含まれている酵素によって糖に分解し、炭酸ガスやアルコール、有機酸などを生成して排出します。生地が発酵中に膨らむのは炭酸ガスの働きです。

焼成前、炭酸ガスは生地の中のグルテンの膜に包まれています。焼成中に温度が上がって、炭酸ガスが膨張して生地の内側から押し広げて膨らみます。生地はふんわりと膨らんで軽くなり、パン特有の食感を作ります。

炭酸ガスの発生は生地をつぶしたり、ガス抜きをしても焼成するまで続きます。

さらに、生酵母はパン皮を色付け、パン独特の香りを発生させる役割ももっています。

生酵母の使い方

生酵母を使用する場合、T45(Type45)の小麦粉と使うのが最適です。T45の小麦粉だとパンの皮がふわふわと軽く焼き上がります。

小麦粉100gに対して、生酵母2~5gを使用します。

35~40℃のぬるい湯に生酵母を入れると、酵母の殻がほぐれて発酵がすすみやすくなります。

塩が酵母菌を殺してしまうため、酵母菌を直接には触れさせないようにしましょう。また、同様に酵母菌が砂糖を食べてしまうため、直接触れないようにしましょう。砂糖と塩は小麦粉や卵やバターなどほかの材料と合わせておき、そのあとに酵母を加えるようにしましょう。そうすると、酵母が直接塩と砂糖に触れにくくなります。



生酵母の性質

  • 生酵母の色:白、または明るいベージュ色をしています。まだらになったり、赤みがついていたら品質が悪くなっている可能性があります。
  • 生酵母の香り:強い匂いや酢酸臭はありません
  • 生酵母の味:酸っぱかったり、不快な味はしません
  • 生酵母の触感:もろく崩れやすい

生酵母の保存方法

生酵母は密封したプラスティックの箱に入れて、0~10℃の冷蔵庫に置いて冷やして保存します。2~3週間は保存がききます。冷凍庫に入れる場合は、マイナス18℃以内の温度で保存できます。

生酵母製造の流れ

生酵母が商品化されるまでの流れです。

1. 糖蜜をつくります

サトウキビ糖蜜を殺菌して漉します。そのなかに発酵中に酵母を養うために、ミネラル塩、窒素、リン酸塩やビタミンを加えます。

母細胞の培養をします

別の試験管の中に母細胞を入れて、24時間置きます。すると、徐々に母細胞が大きくなっていきます。

酵母を発酵させます

糖蜜と母細胞をあわせて、空気に触れさせます。酸素がこれらを繁殖させるのに必要なのです。

分離させます

糖蜜がすべて酵母に変わったら、洗って、遠心分離機でブドウ果汁の脱水をします。すると、クリーム状の酵母が残ります。

濾過して、脱水します

できあがったクリーム状の酵母を冷蔵して、保存します。さらに、濾過して、シリンダーを回転させて脱水します。これで、生酵母のできあがりです。発送前に個別包装して、4~5℃で36時間冷蔵保存します。

乾燥酵母について

フランスにももちろん乾燥している酵母があります。生酵母から水分を取り除いてつくったのが、乾燥酵母です。

暑くて湿気の多い国や地域の場合、酵母が熱や湿気に弱いため、乾燥酵母用いることが多いです。よって、日本の場合も乾燥酵母を使うことが多く、湿度の低いフランスでは生酵母を使うことが多いようです。

酵母を使用する15~30分前に、ぬるま湯と小麦粉と乾燥酵母を混ぜて、酵母を活発にさせる必要があります。

以上、フランスの牛乳について解説しました。

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