farine 小麦粉

フランスの小麦粉は灰分と抽出率で分類して、ミネラル量が大切

フランス語で小麦粉はFarine blé(ファリーヌ・ブレ)といいます。Farineは穀物の粉のことを指し、小麦、大麦、とうもろこし、そば、大豆、米などの粉のことです。

フランスと日本の小麦粉は分類する基準が異なります。

フランスでは灰分率(taux de cendres)と抽出率(taux d’extraction)という2つの基準があります。日本ではタンパク質量率で分類しています。

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灰分率 Taux de cendres

灰分率とは小麦粉を焼いた(100gの小麦粉を900℃で1時間半)ときに残る灰の量のことで、つまり焼成後に残ったミネラル量を示しています。この割合が高いほどミネラルが多いと言え、割合が低いとより白く純粋な小麦粉になります。

抽出率 Taux d’extraction

抽出率とは、小麦の粒を挽いた後に得られる小麦粉の量の割合です。挽く前の小麦には殻や皮などがついていますので、それらをどのくらい取り除くかということです。抽出率が高ければ高いほど全粒粉に近くなり、栄養価が高くなりますが、食べた時の舌触りは悪くなります。

通常の質の小麦粉100kgを抽出すると75kgが使える部分となり、その抽出率は75%で、これが一般的な割合です。

つまり、フランスの小麦粉にとってミネラル分が大切な要素となります。

フランスのパティスリーでの小麦粉の等級

フランス灰分量率で小麦粉を分類しており、T45からT150まで分類されます。TはType(タイプ)のことです。販売されている一般的な小麦粉のパッケージにはこれらのタイプが表示されています。

タイプ 灰分量 抽出率
T45 ~0.5% 67%
T55 0.6%~0.75% 75%
T65 0.75%~0.9% 78%
T80 0,75%~0.9% 80%~85%
T110 1%~1.20% 85%~90%
T150 1.40%~ 90%~98%

それぞれの小麦粉のタイプの特徴と適している生地が以下の通りです。

T45の小麦粉の用途

不純物が少なく、白くて混じりけのない小麦粉です。生地を膨らますお菓子やヴィエノワズリー(菓子パン)などのお菓子に主に用いられます。

  • ジェノワーズ生地
  • ビスキュイ生地(ビスキュイ・キュイエール)
  • フォユテ生地(クロワッサン/ミルフィーユ)
  • ブリオッシュ生地
  • クグロフ
フランスの小麦粉の種類と用途
フランスの小麦粉の種類と用途

T55の小麦粉の用途

多少の混じりけがあり、配分量が少し多めの小麦粉です。タルト生地やシュー生地などに用います。タルト生地はこのT55の小麦粉が最適で、T45だとコシが強すぎて弾力性がありすぎるためです。

  • シュクレ生地
  • サブレ生地
  • フォンセ生地
  • シュー生地

上質小麦粉(Farine de gruau)と呼ばれる種類もあります。グルテン量が多めで、調整しています。膨らます生地のヴィノワズリー(クロワッサンやブリオッシュ)に適しています。T45/T55, Farine de force とも呼ばれています。

T65の小麦粉の用途

フランスの一般的なパンに用いられる小麦粉です。T65以上の小麦粉はお菓子やヴィノワズリに使われることはほとんどありません。

  • バケット
  • ピザ生地
  • フガス生地

T80の小麦粉の用途

灰分も抽出率も高く、ミネラル量や小麦粉の表皮なども含んでいます。お菓子や甘いパンに用いられません。

  • ブラウンブレッド
  • カンパーニュ

T110の小麦粉の用途

灰分が多いためミネラル分が多く含まれており、抽出率も高いため小麦の表皮や胚芽なども多く含んでいます。セミ・コンプレ(半粒粉)のパンなどに用いられ、甘いお菓子やパンで用いることはありません。

  • 半粒粉のパン

T150の小麦粉の用途

小麦粉の表皮、胚芽や胚乳などが9割以上も含まれており、灰色っぽい小麦粉となります。全粒粉のパンなどに用いられます。

  • 全粒粉のパン

T80以上の小麦粉は一般的に甘いパンやお菓子に用いられることはありませんが、ミネラル量が多くなるという風味をいかして生地に加えることもあります。

ざっくりいうと、T45 はヴィノワズリーや膨らます菓子T55 はお菓子生地T65以上はパン生地で使用します。

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