フランス菓子アニョーパスカルとはどんなお菓子か、名前の由来や別名、材料を詳しく紹介しますね。
フランス菓子アニョーパスカルとは?
アニョーパスカル Agneau Pascalは仔羊の形をしたお菓子で、フランスのアルザス地方で復活祭のときに食べます。
アニョーパスカルは10-20cm程度の高さの小さな雄羊の形をしていて、表面はこんがりと黄金色に焼けていています。ふわふわとした軽い食感の生地です。
ビスキュイ生地を仔羊の形の型に入れ、中火で焼成します。焼成後は型から出し冷まし、粉砂糖を振りかけます。仔羊の首にリボンを結び、黄と白の復活祭(バチカン)、または赤と白のアルザスの小旗を仔羊の肩に飾ります。
復活祭とはフランス語でPâques パックといい、キリスト教でのもっとも重要な祝日で、十字架にかけられて亡くなったキリストが3日後に復活した日のことです。復活祭は春分後の最初の満月の次の日曜日で、毎年日程が異なる移動祝祭日です。だいたい4月のいづれかの日曜日となります。
伝統的には復活祭に日曜日に朝食やおやつとして、カフェやショコラ、紅茶、アルザスの白ワインとともに食べます。
アニョーパスカルの別名
名前の呼びかたは地方によって様々で、アニョーパスカルという名前のほかに Osterlammele / Oschterlammele(オステルラマラ)、Lamele / Lammele(ラマラ)とも呼ばれています。コルマールのあるオー=ラン Haut-Rhin 地方では「復活祭の仔羊」という意味があります。
Agneau Pascal アニョー パスカル
Osterlammele / Oschterlammele オステルラマラ
Lamele / Lammele ラマラ
[フランス語名]
アニョーパスカル Agneau Pascal / un agneau pascal
アニョーパスカルの材料
分類 | ガトー/パティスリー |
構成 |
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材料 |
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アニョーパスカルの名前の由来
その昔、復活祭前の四旬節には卵や肉を食べることが厳しく禁じられていました。40日の四旬節の間にも当然にわとりは卵を産み続け、四旬節が終わるとその卵を消費しなければいけません。四旬節が終わって復活祭が始まると、家庭の主婦やパン屋は大量の卵を使い、アニョーパスカルなどのごちそうを作っていました。
仔羊の型はバ=ラン県 Bas-Rhinのスフレンアイム村 Soufflenhiemの赤土を使って作る陶器が有名です。生地を焼いた後に繊細なお菓子の香りが長く残るのが特徴です。
昔から使われていたアニョーパスカルの型は、ゲルトヴィレ村 Gertwillerのパンデピス博物館に展示されています。
Musée du pain d’épices et de l’art populaire alsacien パンデピスとアルザス民族アートの博物館
アニョーパスカルの歴史は古く、16世紀にはすでに食べられていました。1519年、神学者のトーマス・マナー Thomas Murner の手紙に、男性が婚約者にアニョーパスカルを贈ったとの記述が残っています。
アニョーパスカルの購入先
アニョーパスカルはブーランジュリーやパティスリーで、復活祭前に購入することができます。復活祭は年によって異なりますが、3月〜4月くらいの時期です。価格はひとつ12-15€ほどです。
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