フランス地方菓子のコックとはどんなお菓子か、材料や購入先、名前の由来、同じ種類の生地を詳しく紹介します。
フランス地方菓子コックとは?
コック Coqueとは、南フランスの町ベジエ(Béziers)で作られているでこぼことした形の甘いパンです。ベジエ周辺で主に食べられている地方菓子です。
コックは生地にオレンジ水を加えたさわやかな風味のするパンで、細長い形でそれぞれがくっつけて焼いています。その形がらくだのこぶの形をしています。パン生地に砂糖や卵、バターを加えたふわふわとしたブリオッシュの一種です。
店頭でもくっついたまま並べられており、買う際に一個ずつはがしてくれます。
[フランス語名]
コック Coque / une coque
フランス地方菓子コックの材料
分類 | パティスリー |
構成 | ブリオッシュ生地 |
材料 |
|
コックのフランスでの購入先
コックはベジエ周辺のブーランジュリーやパティスリーで購入することができます。価格はひとつ1€ほどです。
フランス地方菓子コックの名前の由来
コック Coque が誕生したのはずっと昔の3世紀にまでさかのぼります。らくだのこぶの形をしたこの菓子パンは、南仏のベジエという町の人々のやさしさによって作られました。
ベジエ(Béziers)はフランス南西部にあるオクシタニー地域圏にある人口7万人くらいの中規模の町です。世界遺産であるミディ運河が流れていて、それを利用した交通の要所として昔から栄えていました。古いけど装飾が美しいテラスのある状態の良いアパルトマンが多く残っており、昔はブルジョワの町としてお金持ちの住む町でした。
ベジエの場所
3世紀に、アフロディーズ(Saint Aphrodise)がキリスト教を広めるために、らくだを一頭連れてエジプトからベジエにやってきました。ベジエの人々は彼をあたたかく迎え入れました。
数年後、彼が亡くなり、らくだが残されました。市長はこのらくだの面倒を見ることを拒否しました。
そのかわり町の陶芸家の家族が引き受け、らくだを飼うことにしました。
その後、アフロディーズは聖人として認められ、町がらくだの面倒を見ることができるようになりました。その陶芸家の家族には、らくだの維持費や家が町から提供されました。
らくだが死んだ際には、通りにらくだ通り(rue du chameau)と名付けられました。現在はマルベック通り(rue Malbec)と名前が変わっています。
毎年おこなわれるアフロディーズの祭り(La fête de Saint Aphrodise)で、このコックが祭りのシンボルとして提供されています。ベジエの町のブーランジュリーでは年中、このコックを置いていますので、いつでも食べれます。
コックと同じ種類の生地
コックはブリオッシュ生地をベースにして作られています。
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