フランスはお菓子もパンもおいしい国です。フランスではお菓子とパンの中間にある菓子パンのことをヴィエノワズリーと言います。日本にも数多くの菓子パンがありますが、フランスのヴィエノワズリーはさほど種類は多くありません。
今回は、フランスのヴィエノワズリー全種類を紹介します。
そもそもヴィエノワズリーってなに?
ヴィエノワズリー Viennoiserieとは卵やバター、砂糖を加えた発酵生地で作るリッチで甘いパンのことです。チョコレートやプラリネ、クリームなどを加えることもあり、甘いお菓子のようなパンです。
通常、パンは小麦粉と塩と水などで作り、甘みは加えませんが、ヴィエノワズリーはふわふわとした食感で甘みもついています。ヴィエノワズリーはパンとお菓子のちょうど中間にある存在で、ヴィエノワズリーはパン屋さんとお菓子屋さんのどちらでも作られています。
なお、ガレットやビスキュイ、サブレなどの焼き菓子はヴィエノワズリーには含まれていません。
ヴィエノワズリーの由来
ヴィエノワズリーは19世紀のオーストリアのウィーンで作られるようになりました。その後、パリに伝わり「ウィーン風(Vienne)のパン」という意味でヴィエノワズリー(Viennoiserie)と呼ばれるようになりました。
日本ではウィーンからデンマークに伝わったものが入ってきたため「デンマーク風のパン」という意味でデニッシュ(Danish)と読んでいます。
ヴィエノワズリーの種類
フランスのヴィエノワズリーは意外にも種類は多くありません。基本的にブリオッシュ生地とクロワッサン生地の2つからできています。それぞれの生地にチョコレートやクリーム、プラリネなどの中身を加えたり、形が変えることでさまざまな種類ができます。
では、ヴィエノワズリーの2つの基本の生地をみていきましょう。
ブリオッシュ生地のヴィエノワズリー
ブリオッシュとは卵やバター、砂糖の入ったリッチで甘味のあるヴィエノワズリーの一種。卵やバターを多く加えるためふわふわとしていています。ブリオッシュは様々な形のものがあり、ブリオッシュ生地にチョコレートやプラリネなどを詰めたものもあります。
- ブリオッシュ生地→上下に丸二つ置く=ブリオッシュ・ア・テット
- ブリオッシュ生地→丸める=ブリオッシュ・ブール
- ブリオッシュ生地→山形食パン型=ブリオッシュ・ナンテール
- ブリオッシュ生地→三つ編み=ブリオッシュ・トレッセ
- ブリオッシュ生地+チョコレート=ブリオッシュ・オ・ショコラ
- ブリオッシュ生地+牛乳=パン・オ・レ
- ブリオッシュ生地+プラリン=ブリオッシュ・オ・プラリン
- ブリオッシュ生地+カスタードクリーム+チョコレートチップ=パン・スイス
それぞれのブリオッシュの種類の詳細はこちらをご覧ください。
クロワッサン生地のヴィエノワズリー
クロワッサン生地は小麦粉で作った発酵生地にバターを層になるようにして重ねたパン生地です。断面には穴の空いた層がいくつも重なっています。フランスの定番のヴィエノワズリーのひとつで、クロワッサン生地を基にしたヴィエノワズリーが多くあります。
- クロワッサン生地=クロワッサン
- クロワッサン生地+チョコレート=パン・オ・ショコラ
- クロワッサン生地+カスタードクリーム+レーズン=パン・オ・レザン
- クロワッサン生地+カスタードクリーム+チョコレートチップ=エスカルゴ・オ・ショコラ
- クロワッサン生地+アーモンド=クロワッサン・オ・ザマンド
以上、フランスのヴィエノワズリーを紹介しました。ぜひ、フランスのパティスリーやブーランジュリーで探してみてくださいね。