Stollen シュトレン

フランス地方菓子シュトレンとはどんなお菓子か、材料や歴史を詳しく紹介します。

フランス地方菓子シュトレンとは?

シュトレンとは待降節(Avent)の前に作られる伝統的なドイツのお菓子。フランスではアルザスやロレーヌ地方で伝統的に食べられていて、クリスストレン(Christstollen)とも呼ばれています。ぎゅっと詰まった生地でどっしりとした長い山形で、表面にはたっぷりと粉砂糖を振りかけています。

ブリオッシュ生地に少しの砂糖、オレンジの皮とレモンの砂糖漬け、レーズン、ヘーゼルナッツを加えて、生地の中にマジパンを詰めて焼いて作ります。シナモン、ナツメグ、カルダモン、クローブといった香辛料とブランディやラムといったアルコールで香りをつけています。

伝統的には2kgの重さがありましたが、現在ではサイズは小さくなっています。

[フランス語名]
シュトレン Stollen
クリスストレン Christstollen



シュトレンの別名

ドイツではシュトレン(Stollen)と呼ばれており、日本でも同様に呼ばれています。一方、フランスではクリスストレン(Christstollen)とも言い、アルザス地方では伝統的にクリシュトール(Chrischstolle)と呼んでいます。

シュトレンには他にも様々な呼び名があります。

  • Weihnachts-stollen
  • Strutzel
  • Striezel
  • Stritzel
  • Stutenbrot

フランス地方菓子シュトレンの材料

分類 パティスリー
構成 ブリオッシュ生地
材料
  • 酵母
  • 牛乳
  • 小麦粉
  • 卵黄
  • 砂糖
  • レモンの皮
  • バター
  • アーモンド
  • 干しぶどう
  • オレンジの皮の砂糖漬け
  • パットダマンド(マジパン)
  • スパイス(ナツメグ、シナモン、バニラ等)
  • アルコール(ブランディ、ラム等)



フランス地方菓子シュトレンの歴史

一般的に、シュトレンは15世紀、ドイツのドレスデン(仏 Dresde)で誕生しました。もしくは、さらに古く1330年には作られていたとも言われています。

当初は異教の祭りの象徴として用いられていましたが、キリスト教への改宗とともにキリスト教のシンボルとなっていました。その形は幼子イエスを表すとされていました。

16世紀初頭、ドレスデンのクリスマス市で売られていました。

1560年代からはクリスマスに、このお菓子を専門に製造しているパン屋がザクセンの君主に巨大なお菓子を贈っていました。

このお菓子のことをこの地方ではChristborote uff Weihnachtenといい、ひとつの重さが36リーブルもあったと言われています。リーブルとは昔の重さの単位で、1リーブルが500gなので、36リーブルは18kgの重さです。巨大なシュトレンが焼けるように部屋のようなオーブンを特別に造ったとも言われています。

1730年、選帝侯アウグスト2世(Auguste II)は1,7トンの巨大なお菓子をドレスデンのパン職人同業組合に注文しました。

1944年からはドレスデンで、毎年、待降節の前の第2日曜日、ドレスデン・シュトレン・フェスティバル(Dresden Stollen Festival)が行われ、数トンのシュトレンが製造されています。

フランスではドイツに近いアルザスやロレーヌ地方で昔から食べられていました。現在では、クリスマスマーケットで売られていたり、パン屋さんでも見かけることができます。

参考文献

このシュトレンの記事を書くのに参考にした本です。

  • Dictionnaire de la gourmandise pâtisseries, friandises et autres douceurs
  • La pâtisserie ALSACIENNE

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