プチフールとはどんなお菓子か、分類と種類を詳しく解説します。また、プチフールの名前の由来もお話しします。
プチフールとは?
プチフール Petit fourとは一口大の小さなお菓子のことをいいます。アントルメやタルトなどの生菓子を小さくしたもの、小さな甘い菓子、塩味のものなどがあります。
プチフールの分類
プチフールには3つの分類があります。大きなパティスリーにはこの3種類のプチフールが置いてあります。
- Petits fours secs
- Petits fours glacés
- Petits fours salés
以下で、それぞれのプチフールについて解説します。
プチフールの種類
Petits fours secs プチ フール セック
Petits fours secs は「乾燥したプチフール」という意味で、小さなサイズの焼き菓子のことを指します。以下のようなサブレやマカロンなどのことを言います。
パティスリーでは袋入りや量り売りで販売しています。
- bâton[バトン]細長い形のパイ生地で作るプチフール
- bâtonnets aux amandes[バトネ オ ザマンド]
- cigarettes[シガレット]シガレット
- cigarette russe[シガレット リュス]
- duchesses[デュシェス]ラングドシャでバタークリームを挟んだプチフール
- financier[フィナンシエ]
- fours amandes à la poche[フール アマンド ア ラ ポッシュ]
- fours au beurre dressés[フール オ ブール ドレセ]
- langue de chat[ラング ド シャ]
- macarons[マカロン]
- madeleine[マドレーヌ]
- meringues[ムラング]メレンゲ
- petits biscuits[プチ ビスキュイ]
- rocher coco[ロシェ ココ]
- sablés[サブレ]
- sacristain[サクリスタン]
- tuile[チュイル] チュイール
Petits fours glacés プチ フール グラセ
Petits fours glacés は「糖衣したプチフール」という意味で、小さく作ったプチフールにフォンダンや飴をかけたものを指します。
日本ではあまり見られないかもしれませんが、フランスの大きなパティスリーにはよく置いてあり、提供したらすぐになくなるほどのとても人気なプチフールです。
Petits fours glacés は以下のようにさまざまなタイプがあります。
アントルメを小さく作ったもの
タルトレット、シュー・ア・ラ・クレーム、エクレア、サヴァラン、ババ、メレンゲ、折込パイ生地などを使ったアントルメを一口大の大きさに小さく作ったもの。アントルメの半分くらいの価格(1.5-2.5€)で販売しています。
糖衣したジェノワーズ
ジェノワーズやビスキュイ生地、アーモンドのビスキュイ生地にバタークリームやガナッシュを挟み、小さく切り、シロップを塗り、フォンダンで覆ったプチフール。表面をコルネを使ってデコレーションすることもあります。
糖衣した果物
果物に糖衣したお菓子のことを Fruits déguisés と言います。デーツ、プルーン、さくらんぼ(bigarreaux)の砂糖漬け、胡桃、アーモンド、ヘーゼルナッツ、4つに切ったオレンジやマンダリン、レーズン、パイナップル、栗ペーストなどをフォンダンや飴液に漬けたプチフール。
糖衣したグリヨット
シロップ漬けやアルコール漬けにしたグリヨットをフォンダンで覆ったプチフール。
マジパンを詰めた果物
ダーツ、プルーン、さくらんぼの砂糖漬けの種を取り除き、底に丸めたマジパン(pâte d’amandes)を詰めたプチフール。
アブキール Aboukir
アーモンドやヘーゼルナッツを湯むきして、マジパン(pâte d’amandes)で覆ったプチフール。そのままオーブンで焼いて、飴で糖衣することもあります。
アブキール Aboukirという名前のコンフィズリーですが、他の名前がついていることもあります。とても人気のあるプチフールで、お店に並んだらすぐになくなってしまうほどです。
飴で覆った果物
オレンジ、マンダリンやレーズンなどのドライフルーツ、パイナップルのコンフィを飴液で覆ったプチフール。
飴で覆ったマロンペースト
マロンペースト(pâte de marron)を飴で覆ったプチフール。
Petits fours salés プチ フール サレ
Petits fours salés は「塩味のプチフール」という意味です。食事の前のアペリティフやカクテルなどの時に提供される一口サイズのおつまみです。アミューズグール(Amuse-gueule)、アミューズブーシュ(Amuse-bouche)とも言います。
カナペ(Canapé)は薄く切った食パンを土台にするときに用います。
折込パイ生地、ブリオッシュ、シュー生地、塩味のブリゼ生地、塩味のビスキュイ、パンなどを土台として使います。ガルにチュール(詰め物)はオリーブ、ドライトマト、玉ねぎ、アスパラガス、きのこ、セロリ、トマト、ピクルス、ラディッシュ、アンチョビ、アンチョビのムース、サーモン、えび、かに、ムール貝、帆立貝、鰯などさまざまなものがあります。そのほかにもチーズ類、茹で卵、ベーコン、クネル、サラミ、ソーシソン、パテなどもあります。
プチフールの名前の由来
プチフールの名前はオーブンで焼いたお菓子のことを Pièce de fours(オーブン室)と呼んでいたことに由来します。
昔、オーブンは重い石積みで作られて、人が通れるほど大きいものでした。当然オーブンの熱は強く、大きな料理やお菓子を焼いていました。それらの焼成が終わり、オーブンの火を消し温度が下がってきたときに、小さな料理やお菓子を焼きました。この小さなお菓子や料理を焼いたため Petit four と呼びました。
プチフールは人気を得て、1774年にはプチフール菓子職人(Pâtissier de petit four)という新しい職業ができました。
おいしい知識を手に入れよう!お菓子のレシピから学ぶフランス語講座
フランスのお菓子は世界的に有名ですが、なぜそのおいしさに魅了されるのでしょうか?
「お菓子のレシピから学ぶフランス語講座」では、フランスのお菓子作りの秘訣を探りながら、同時にフランス語を学んでいきます。
この講座では本場フランスのお菓子のレシピをフランス語で読み解きながら、フランス語を習得します。マドレーヌ、タルト、シュークリームなど、フランスでも定番のお菓子のレシピを通じて、フランス語の基礎から応用まで幅広く学ぶことができます。
フランス語の勉強が初めてでも大丈夫です!当講座では基本的なフランス語表現から、食材や道具の名前、作り方までを丁寧に解説しています。おいしいお菓子のレシピを作りながら、楽しくフランス語をマスターすることができます。
フランス語を学ぶだけでなく、お菓子作りの知識も身につけることができるこの講座は、フランス語学習者とスイーツ好きな方にとって理想的な組み合わせだと思います。ご自宅で学べるダウンロード形式なので、時間や場所に制約されずに勉強することができます。
「お菓子のレシピから学ぶフランス語講座」に参加して、おいしい知識を手に入れましょう!フランス語の魅力とフランスのお菓子作りの楽しさを同時に体験し、自分自身を豊かにしませんか?ご参加をお待ちしています!
関連記事