コンフィズリー confiserieとは砂糖を主な材料として作るお菓子、小さな砂糖菓子のことです。小麦粉などの粉類は加えず、オーブンで焼かない点がパティスリーとは異なります。
砂糖、アーモンドなどのナッツ類、チョコレート、果物などをベースにしたコンフィズリーがあります。フランスにあるコンフィズリーの種類をまとめました。
ボンボンとは?
ボンボン bonbonとは砂糖を主材料とした小さなお菓子の呼び名です。
- ボンボン ア ラ リキュール bonbon à la liqueur:リキュール入りシロップを詰めた小さなボンボンのこと
- ボンボン オ ショコラ bonbon de chocolat:ガナッシュやヌガティーヌなどの中身をチョコレートでコーティングしたボンボン
- ボンボン ド シュクル キュイ bonbon de sucre cuit:キャンディ、飴
- ボンボン フォンダン bonbon fondant:香りづけしたフォンダンを詰めたボンボン
砂糖をベースにしたコンフィズリー
砂糖を主な材料として作るコンフィズリーで、飴やキャンディのことです。ボンボン ド シュクル キュイ bonbon de sucre cuitともいいます。
- anis de l’abbaye de Flavigny[アニス ド ラベイ ド フラヴィニ] フラヴィニー修道院のアニス風味の飴
- barbe à papa[バルブ ア パパ]綿菓子
- bergamote[ベルガモット]ベルガモットエキスの入った飴
- berlingot[ベルランゴ]様々な香りをつけたストライプの四面体の飴
- bêtise[べティーズ]北フランスのカンブレ由来のミント味の飴
- bourgeon de sapin[ブルジョンド サパン]ヴォージュ地方由来のモミのエキス入りの飴
- bourgeon de sapin des Vosges[ブルジョンド サパン デ ヴォージュ]ヴォージュ地方由来のモミのエキス入りの飴
- Cachou Lajaunie[カシュ ラジュニ]トゥールーズ由来のレグリーズ味の黒くて四角い小さなボンボン
- cacouile[カキーユ]来たフランス由来のベルランゴの形をしたキャンディ
- caramel[キャラメル]砂糖を焦がしたもの、キャラメル
- chique[シック]北フランス由来の四角の飴
- chuque[シュック]北フランス由来の四角の飴
- coque d’or[コック ドール]ノルマンディ由来の貝殻の形をしたキャンディ
- cotignac[コチニャック]オルレアン名物の果物コワンを使ったコンフィズリー
- guimauve[ギモーヴ]マシュマロ
- loukoum[ルクム]中東由来の砂糖や蜂蜜で作る甘味が強くてもちもちしたコンフィズリー
- négus[ネギュス]ニヴェルネー由来の柔らかいキャラメル
- pastille[パスティーユ]ヴィッシー特産の温泉水を使った八角形の白いドロップ
- pilibot[ピリボ]マルティニーク由来のベルランゴ飴
- philibot[フィリボ]マルティニーク由来のベルランゴ飴
- ramiquin[ラミカン]ギニア由来のアニス味の飴
- rigolette nantaise[リゴット ナンテーズ]ナント由来の飴
- rigolette nantaise bohu[リゴット ナンテーズ ボウ]ナント由来の飴
- suc des Vosges[シュ デ ヴォージュ]ヴォージュ地方由来のモミのエキス入りの飴
- sucette[シュセット]棒付きの飴
- sucre d’orge[シュクル ドルジュ]エヴィアンやヴィシー特産の大麦で作る飴
- sucre de pomme[シュクル ド ポム]ノルマンディ・ルーアン特産のりんごの飴
アーモンドを使ったコンフィズリー
アーモンドを丸ごと使ったり、アーモンドをすりつぶしてペースト状にしたパットダマンドPâte d’amandeなどアーモンドやナッツ類を使ったコンフィズリーもあります。
- amande royale[アマンド ロワイヤル]フランシュコンテ地方のボンボン
- calisson[カリソン]プロヴァンス由来の小舟形でアーモンドとメロンの砂糖漬けを加えた生地にグラスロワイヤルで覆ったコンフィズリー
- dragée[ドラジェ]アーモンドを砂糖で覆ったコンフィズリー
- haricot de soissons[アリコ ド ソワソン]プラリネのボンボン
- locchio[ロッチオ]マルティニーク由来のアーモンドやくるみで作るコンフィズリー(lotchioと同じ)
- lokio[ロキオ]マルティニーク由来のアーモンドやくるみで作るコンフィズリー(lotchioと同じ)
- loquio[ロキオ]マルティニーク由来のアーモンドやくるみで作るコンフィズリー(lotchioと同じ)
- lotchio[ロッチオ]マルティニーク由来のアーモンドやくるみで作るコンフィズリー
- lotcho[ロッチョ]マルティニーク由来のアーモンドやくるみで作るコンフィズリー(lotchioと同じ)
- maltais[マルテ]オレンジの皮を飾ったアーモンドのプチフール
- marron glacé[マロン グラセ]渋皮を向いた栗を砂糖漬けにしたコンフィズリー
- massepain[マスパン]アーモンドと卵白、砂糖で作るコンフィズリー
- nougat[ヌガ]ヌガー、メレンゲとシロップ、ナッツやドライフルーツを混ぜて作るコンフィズリー
- nougat de Montélimar[ヌガ ド モンテリマール]モンテリマール特産のヌガー
- nougat de Provence[ヌガ ド プロヴァンス]プロヴァンス特産の黒いヌガー
- patate[パタット]サンマロ特産のアーモンド生地のボンボン
- patate de Saint-Malo[パタット ド サンマロ]サンマロ特産のアーモンド生地のボンボン(patateと同じ)
- pavé de voiron[パヴェ ド ヴォワロン]ヴォワロン由来のヘーゼルナッツの層をチョコレートで覆ったボンボン
- praline[プラリーヌ]アーモンドなどのナッツ類にキャラメリゼしたシロップをかけたコンフィズリー
チョコレートを使ったコンフィズリー
- bouchée au chocolat[ブシェ オ ショコラ]ナッツやガナッシュなどをチョコレートで包んだコンフィズリー
- bouchon au marc de champagne[ボンボン オ マール ド シャンパーニュ]シャンパーニュ地方由来のチョコレートボンボン
- cloche d’annecy[クロッシュ ダヌシー]アヌシー由来のブラックチョコレートのボンボン
- cocon de Lyon[ココン]リヨン由来の繭の形をしたコンフィズリー
- coussin de Lyon[クサン ド リヨン]リヨン由来のチョコレートガナッシュとキュラソーを加えたクッション形のコンフィズリー
- craqueline[クラクリン]フランシュコンテ由来のプラリネを加えてグラスロワイヤルで覆ったコンフィズリー
- diavolo[ディアヴォロ]ショコレートと砂糖で覆ったコンフィズリー
- gravette[グラヴェット]ボルドー由来のチョコレートを覆ったボンボン
- griotte[グリオット]フランシュ・コンテ由来のチョコレートのコンフィズリー
- huître d’arcachon[ユイットル ダルカション]アルカション由来のクリスマス時期に食べるチョコレートのボンボン
- huître de bordeaux[ユイットルド ボルドー]ボルドー由来のクリスマス時期に食べるチョコレートのボンボン
- kanouga[カヌガ]ボルドー由来の柔らかいチョコレートのキャラメル
- nimiche[ニミッシュ]ボルドー由来の柔らかいチョコレートキャラメル
- papillote[パピヨット]リヨン由来のなぞなぞの書かれたキラキラの紙に包んだチョコレートやヌガーなどのフリヤンディーズ
- quernon d’ardoise[ケルノン ダルドワーズ]アンジュー由来のチョコレートボンボン
果物を使ったコンフィズリー
果物に砂糖を加えて、砂糖漬けやジャムに加工した果物を使ったコンフィズリーもあります。
- doucelette[ドゥスレット]マルティニーク由来のココナッツミルクのボンボン
- fanchonnette[フォンショネット]ボルドー由来のパットドフリュイで覆ったボンボン
- orangette[オランジェット]オレンジの皮のコンフィをチョコレートで覆ったコンフィズリー
- pâte de fruit[パット ド フリュイ]果物のピュレに砂糖とペクチンを加えて作るゼリーのようなコンフィズリー
砂糖と果物を使った加工品
果物を保存するために砂糖を大量に加えて作る加工品もあります。
- confit[コンフィ]フルーツを砂糖で煮たもの、フルーツの砂糖漬け
- confiture[コンフィチュール]ジャム
- compote[コンポット]果物の砂糖煮、コンポート
- fruits confits[フリュイ コンフィ]フルーツの砂糖漬け
- fruits secs[フリュイ セック]ドライフルーツ
- marmelade[マルムラッド]柑橘系のジャム
独特の風味のレグリス
レグリス réglisseとは甘草の根から作られた苦いフレーバーで真っ黒な色をしていて、苦味のある独特の風味があります。
フランスでは定番で、ボンボンやギモーヴやグミなど様々なコンフィズリーの風味として用いられています。子供達もみんな大好きな味なんだそう。日本人にとっては慣れない独特の風味があるため、苦手な人も多いと思います。
コンフィズリーでは定番の味なので一度試してみてはいかがでしょうか。